DXを推進する人材不足が障壁に
7年連続シェアNo.1のクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供する株式会社SmartHRは、『「2025年の崖」総括とDXに関する実態調査』を実施した。
同調査は2025年9月26日から9月29日にかけて、従業員数51名以上の法人に勤務する情報システム系業務従事者を対象にインターネットで行われ、1,973人から有効回答を得ている。
「2025年の崖」とは、日本企業が古い基幹システム(レガシーシステム)を使い続けることでDXが進まず、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があるとされる問題のこと。
この「2025年の崖」を完全に乗り越えられたと回答した企業はわずか7%にとどまり、「深刻な課題を抱え、本格的に着手できていない(37%)」「事業に深刻な影響が出ている(3%)」とした企業は合わせて40%にのぼった。
乗り越えられた企業の最大の要因は「クラウドサービス(SaaS)への移行」であった。一方、乗り越えられていない企業では「DXを推進する人材の不足」が最大の障壁となっており、システム的課題以上に人材面での課題が深刻であることが明らかになった。
企業のDXに取り組む目的について尋ねたところ、「既存業務の効率化(59%)」が最も多く、二番目に多い回答が「コスト削減(55%)」となった。
本来のDXの目的である「ビジネスモデルの変革・創造」と回答した企業よりも、はるかに多くの企業が業務効率化やコスト削減といった“守りのDX”にとどまっている現状が浮き彫りとなった。

人事×情報システムの連携に課題
DX推進における「人事部門」と「情報システム部門」の連携について、「非常に重要(27%)」「やや重要(49%)」と考える企業は合わせて76%にのぼるが、実際には人事情報の秘匿性やお互いの業務理解の乏しさが障壁となり、データ連携や業務調整に課題を抱えている企業が多い。

「人材不足」についての質問では、「非常に強い危機感がある(26%)」「ある程度の危機感がある(61%)」を合わせた全体の87%の企業が「人材不足」に危機感を抱いており、54%が2030年頃には事業継続に深刻なリスクがあると認識している。
対応策としては「人事評価・報酬制度・待遇の見直し(30%)」や「多様な働き方の推進(28%)」といった制度面の取り組みに加え、「SaaS・ITツールによる業務自動化・省人化(27%)」や「AI活用(26%)」などのシステム面での対応が挙げられた。
特に従業員数2001名以上の大企業では、システムで対応する「SaaS・ITツールによる業務自動化・省人化(37%)」や「AI活用(40%)」に積極的な傾向が見られた。
出典元:「SmartHR調べ(https://smarthr.jp/release/20251023_research/)」
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社SmartHR プレスリリース
https://smarthr.jp/release/20251023_research/
