グロースエクスパートナーズが人事部門にAIエージェントを導入、他社展開も

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「IBM watsonx Orchestrate」を人事部門に導入

グロースエクスパートナーズ株式会社(以下、グロースエクスパートナーズ)は17日、IBMのAIエージェント製品「IBM watsonx Orchestrate」を人事部門に導入し、人事業務の生産性向上と従業員エンゲージメントの改善を実現したと発表した。

この成功事例をもとに、同社子会社の株式会社GxP(以下、GxP)は、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)、株式会社イグアスと連携し、同様のAIエージェントソリューションを他社へと展開する「スマート人事」の市場展開も開始するとしている。

グロースエクスパートナーズでは、事業成長に伴う社員数の増加により、人事部門の業務負荷が増大、戦略的な人事活動に割く時間の確保が十分でなく大きな課題になっていた。

そこで2025年度に「人と組織を進化させるスマート人事 – Digitalization -」を戦略テーマに掲げ、AIエージェントによる業務自動化を中核とした人事改革を進めてきたという。

グロースエクスパートナーズ

申請作業時間約83%削減、ミスゼロ、多言語対応化などを実現

「IBM watsonx Orchestrate」を採用した理由としては、セキュリティ・ガバナンス・コンプライアンスの観点から厳格な管理が求められる企業環境でも安心して導入できるAIエージェント製品で、他のエンタープライズ企業における人事業務変革でも確かな業務改善効果と安定性が実証されていることがまず挙げられている。

また、現行の業務プロセスを大きく変更することなく導入可能で、既存システムとスムーズに連携できるアーキテクチャを備えていることやベンダーロックインが発生しないオープンな製品設計であったこともポイントとなった。

さらに日本IBMのプリセールス・エンジニアチームとのスムーズな共創体制があり、課題の明確化から優先順位づけ、MVP構築などまで短期間で推進できる仕組みがあったことも後押し要因になっている。

導入前には、社員からの問い合わせや申請に対し、メールやチャットで人事窓口が個別対応したり、人事・労務管理システムへの登録・変更作業を担当者が手作業で行ったりしており、人事担当者は定型対応に追われ、戦略人事など付加価値の高い業務に集中できない状況があった。

しかし導入後はAIエージェントのチャットを通じ、社員が申請・相談を24時間いつでも行えるようになり、申請内容はシステムとの自動連携で処理実行、担当者は承認のみと対応時間が柔軟になり、人事担当の働き方改善、例外対応や人材戦略業務に注力できる体制へと移行できた。

これにより、各種申請にかかる作業時間は約83%削減され、人事・労務管理システムの連携で入力ミスや再確認工数がゼロ化、社員問い合わせへの24時間自動対応実現、多言語対応による外国籍社員からの問い合わせにもスムーズに対応可能な体制構築がなされたという。

導入初期には業務・システム面で課題も発生したものの、周知徹底やマニュアル整備、改善のためのフォローなどにより、現場負担を最小限に抑えながら定着化を進めることで課題はクリアしてこられたことも紹介された。

こうした成功を受け、GxPが得られた知見をもとに、10月には申請業務自動化のエージェント運用を開始、11月に就業規定Q&A対応エージェント導入を、2026年5月には採用・オンボーディング支援エージェントを展開していく予定としている。

今後は人事領域のみならず、経理や総務、情報システムなどバックオフィス全体への展開も視野に入れて進めていくとした。

GxPでは「IBM watsonx Orchestrate」の導入で得られた実践的知見と業務テンプレートをもとに、「スマート人事」ソリューションの外販展開を推進していく。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

グロースエクスパートナーズ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000074910.html

生産性DX編集部

生産性DX編集部は、生産性向上に向けたDX活用の知見を、わかりやすく発信しています。経営や組織、働き方、テクノロジーまで幅広く取り上げ、生産性向上に取り組むすべての人に、中立的な視点で考えるきっかけや実践のヒントをお届けします。

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