「doda」が調査結果を公開
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社(以下、パーソルキャリア)は7月7日、「転職市場予測2025下半期」の公開を開始した。労働力不足の時代に備えた人材確保や、AI・DX人材ニーズの増大により、転職市場は概ね活況で、好調を維持すると見込まれている。
2025年下半期の転職市場全体における求人動向では、調査対象となった7業種8職種の合計15分野のうち、営業、人事、経理、法務、企画・マーケティング、化学・素材、食品の7分野で求人増加見通しとなった。
また、IT・通信、メディカル、不動産・建設、販売・サービスの4分野は好調を維持する見通しで、先の7分野とあわせ、11分野で活況が予測されている。
背景には、団塊ジュニア世代が定年退職を迎えることによって人手不足が深刻化する「2040年問題」を見据え、採用強化が進んでいることがまず挙げられた。とくに将来のマネジメント層候補や即戦力となる専門人材の採用強化が顕著という。
また、AIを業務に活用する動きが本格化し、AIを使いこなせ、DX推進に寄与できる人材や、必要度を増している特定のITツールについて利用経験のある人材が高い評価を受け、需要が高まっている。このほか海外市場への進出・拡大を視野に入れる企業も多く、語学力に加え海外営業や現地工場マネジメント経験を有する人材などへのニーズも拡大する見通しとなった。
一方で、米国の関税政策や為替レートなどの先行き不透明感といった世界経済情勢が影響を与えている面も見受けられ、製造業などでは採用枠抑制や採用自体の中止など、中途採用計画に影響を及ぼす動向もみられているため、注視が必要ともされた。

続く売り手市場、人材定着に向けた動きも活発化
全体に売り手市場が続く中、多くの企業で採用活動強化とともに、人材の定着率向上を重視する向きが強まってきている。社員満足度の定期的調査と改善を推進する企業も増え、次のような工夫もみられていると報告された。
職場環境では、残業時間削減に向けた制度整備や、転勤の有無を事前に選べるキャリアコースの設置、一時金の導入・増額など柔軟な働き方を可能とし、社員が長く安心して働ける工夫での定着率向上が進んでいる。
選考時においては、入社後のミスマッチを防ぐべく、丁寧な説明やフォローを実施する企業が増加、「カジュアル面談」や「オファー面談」の実施、工場や会社の見学の機会提供など、応募者が入社後を具体的にイメージできる仕組み作りが積極的に行われるようになってきた。
パーソルキャリアでは、世界経済の不安定化によりやや不透明感はあるものの、引き続き人材獲得競争が続くと予想、各企業が採用強化・定着率向上のため、自分らしく働ける環境づくりに一層の力を注いでいくものと予測した。
(調査出典:転職サービス「doda」)
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
パーソルキャリア株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000861.000022215.html
転職サービスdoda「転職市場予測2025下半期」
https://doda.jp/guide/market/