評価対象者の54%、評価者の44%に不満あり
スマートキャンプ株式会社は9日、同社が運営するSaaS比較サイト「BOXIL」において、人事評価制度のある企業に勤める人を対象とした「人事評価制度と人事評価システムに関する満足度調査」を実施し、その結果を公開した。
調査は全国20~60代の3,622人を対象に、2025年9月5日~9月19日の期間、インターネット・アンケート方式で行われている。
人事評価制度について、満足か不満か評価対象者である従業員と評価者である役職者にそれぞれ尋ねたところ、評価対象者では「満足」が45.7%、「不満」が54.3%となった。評価者においても「満足」は56.4%にとどまり、「不満」が43.6%となっていた。
不満理由は、評価対象者の場合、「評価基準があいまいで分かりにくい」が765人、28.8%でトップ、次いで「評価結果に納得感がない」の652人、24.6%、3位は「成果のみ評価され、行動プロセスが評価されない」の423人、15.9%だった。評価基準のあいまいさが2位、3位の理由にも派生している可能性があり、基準のあいまいさに寄せられる不満がとくに強いと思われる。
また、評価者たる管理職側の不満理由でも、「評価基準があいまいで分かりにくい」が227人、28.8%でトップとなった。2位は「評価シートの作成・管理が煩雑である」の126人、13.0%で、3位は「適切な目標設定(難易度・期待値調整)やフィードバックが難しい」の120人、12.4%となっている。
こちらでも評価基準に不満が多いが、さらに管理や運用の煩雑さ、目標設定とフィードバックの難しさといった運用面にも不満が見受けられた。

システム導入時には評価制度の見直しも
人事評価システムの新規導入に携わったことのある708人に、複数回答可で導入時の課題を尋ねたところ、「評価データの保管場所を統一したかった」が最も多い234人、33.1%、僅差で2位となったのが「アクセス権限の管理を効率化したかった」の233人、32.9%だった。
3位には「評価承認ワークフローを自動化したかった」の207人、29.2%が入り、4位は「評価シートの管理が煩雑だった」204人、28.8%、5位「評価の回収・集計に時間がかかりすぎていた」183人、28.4%などとなった。
これらの課題がシステム導入によって解決できたかどうかを尋ねると、トップの「評価データの保管場所を統一したかった」は77.8%の解決率になり、「アクセス権限の管理を効率化したかった」は74.7%の解決率だった。
4位の「評価シートの管理が煩雑だった」は解決率が最も高く、78.4%で解決とされている。反対に「評価の回収・集計に時間がかかりすぎていた」の解決率は59.2%と低めの傾向にあった。

人事評価システムの新規導入に伴い、人事評価制度を見直す必要があったかどうかを尋ねた結果では、「必要だった」が61%と6割を超え、「必要なかった」の23.2%を大きく上回った。
多くの企業で既存の評価制度と新たに導入したシステムとの間に不整合が生じたものとみられ、システム導入時には人事評価制度の見直しもあわせて考慮する必要があると考えられた。
(画像はプレスリリースより)
(出典:BOXIL「人事評価制度と人事評価システムに関する満足度調査」2025年10月9日確認、https://boxil.jp/mag/a10148/)
▼外部リンク
スマートキャンプ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000264.000012765.html
      