心理的安全性を高める「雑談によるラポール形成技術」
DX支援を展開するアルサーガパートナーズ株式会社は11月19日、AIによる雑談を通じて信頼関係(ラポール)を構築し、従業員の本音を引き出す対話技術の特許(特許番号:第7763553号)を取得したと発表した。
この技術は、AIが天気や時事などの雑談を自然に交えながら会話を進め、従業員が安心して話せる環境をつくることを目的としている。
人と人との対話において、業務の本題に入る前の何気ない会話は、相手との距離を縮める大切なステップだ。同社はこの「雑談」の心理的効果に着目し、AIが人間のように雑談を交えながら継続的な対話を行うことで、従業員との間に信頼と共感を育む仕組みを開発した。
従来のエンゲージメント調査では、数値的な傾向は把握できても、なぜその数値になったのかという背景や、従業員の感情までは見えにくいという課題があった。
また、匿名性が担保されていても「本音を言っても大丈夫」という安心感がなければ、建前の回答にとどまり、実際の不満や離職リスクを見逃してしまうことも多い。

継続的な対話とデータ分析で離職予兆や定着支援に対応
「AI面談」は、月に一度の“定点観測”を通じて従業員の状態を継続的に把握するサービス。AIは前回の会話内容を記憶し、「前回の悩みはどうなりましたか?」といったフォローアップを行うことで、従業員との継続的な関係性を築く。これにより、毎回ゼロから話を始める必要がなくなり、より深い信頼関係が生まれる。
さらに、蓄積された会話データを分析することで、エンゲージメントの変化やストレスの兆候を可視化。スコアの急激な変動や特定キーワードの出現をもとに、離職やハラスメントの予兆を早期に察知し、人事が迅速に対応できる体制を整える。
新入社員のオンボーディング支援にも活用でき、入社後の節目ごとの面談を通じて、定着支援や早期離職の防止にもつなげることができる。
同社は今後、AIの会話理解力や文脈記憶の精度をさらに高め、多様な業界や働き方に対応したサービス展開を進める方針だ。AIが“信頼できる聞き手”として機能することで、企業のエンゲージメント向上と持続的な組織成長を後押ししていく。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
アルサーガパートナーズ株式会社 プレスリリース
https://www.arsaga.jp/
