組織の知見と人をつなぐAIナレッジPF「Shpica」が誕生

AI・テクノロジー・DX

従業員の境界を越えた協働を容易に

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(以下、ソニーネットワークコミュニケーションズ)は8日、組織内にて点在する知見と人材を有機的につなぎ、境界を越えた協働を促すAIナレッジプラットフォーム「Shpica(シュピカ)」を開発したと発表した。同日より申し込み受付を開始、10月1日より提供をスタートさせる。

「Shpica」は、組織内にある知見を「誰に関連する知見か」と紐付けて蓄積し、AIに質問しさえすれば、最適な情報と社内専門家を瞬時に発見できるようにする、人間中心型のナレッジマネジメントシステム。

SaaS型のクラウドサービスとして提供し、部署単位からの導入が可能、柔軟な規模での展開に対応するため、組織成長に合わせた段階的な展開も自在にできる。

従業員の経験やノウハウの共有、スキルマップ構築、社内ヘルプデスクの構築など、業種を問わずさまざまな活用方法が考えられ、知的資産の活用を活発化、部門や地域、世代を超え、組織内の知見を必要なタイミングで必要な人に、最適な形で届けられるようにサポートする。

組織の知見と人をつなぐAIナレッジPF「Shpica」が誕生

人とAIの協働実現をいち早く

「AI Ask Search」では、自然言語で質問をすると、AIがテキストや画像、PDFなど多様な情報源と連携し、組織内のコンテンツを横断的に検索、関連するナレッジと社内の専門家を即座に見出して提示する。

「Knowledge Converter」では、ナレッジやファイルの内容をAIが自動で分析、関連ナレッジをリンクさせ、情報を分類して構造化した管理を実現する。過去の膨大な資料や会議議事録なども検索可能な組織知として整理・蓄積でき、眠っていたファイル類も使える組織知に変えていける。

ファイルデータをアップロードするだけで、AIが自動でナレッジ作成を行う仕組みともなっており、文章の構成や不足情報の補足にも対応することから、手間なくナレッジ作成が進められるようにもなる。

「Expert Finder」では、従業員のスキルや経験、投稿したナレッジコメントなど、プラットフォーム上にあるあらゆるデータをAIが分析、今必要とされている各分野の専門家を社内から特定して示す。個人の人脈頼みから脱却し、最適な人材へのアクセスを容易にするため、これをもとに質問やアドバイスを求めれば、社内の隠れた専門家を有効に活用して情報収集の効率化や組織内協働を促進できる。

「Personalized Broadcast」では、新たなナレッジが投稿されたのに合わせ、関心のありそうな従業員に対し、自動でメッセージを配信する。従業員一人一人の関心に合わせた新着情報をタイムリーに届けられるようになり、必要な知識、関連性の高いナレッジの見逃しを防ぐことができる。ナレッジの最大活用はもちろん、新たなアイデア・コラボレーションの創出も促進されると期待される。

1日のアクティブ利用率40%超の実績も

近年は労働人口の減少や中途採用比率の高まりで、従業員のもつ知識やノウハウ、人脈など組織の知的資産の活用と人的ネットワークの維持が、かつてに比べて複雑となり、大きな経営課題になってきている。

そのため多くの現場で業務課題に直面した際に組織ナレッジを活かせない、相談先が見つからないといった事態が生じたり、ベテラン社員の退職で組織内のノウハウが消失してしまったりといった問題も起きているという。

さまざまなツール上に大量の情報が蓄積されていても、日々更新される膨大な情報の中から、本当に必要な知見や人材を見つけ出すことは容易でなく、結果的に組織内に存在する知識や経験が十分に活かしきれないまま、似た課題について重複した取り組みが行われたり、過去の失敗を繰り返したりといった非効率も生じやすくなる。

ソニーネットワークコミュニケーションズでは、こうした課題を解決するため、人とAIとの協働をコンセプトとしたナレッジプラットフォームとして「Shpica」を開発した。

リリースに先立ち、PoCを実施した広告メディア企業の開発部門では、導入開始から3カ月で約500件のナレッジを蓄積できたほか、1日のアクティブ利用率が40%超に達し、高い利用率で組織に貢献することが確認できたという。

「社員の相互理解が深まり、部門を超えた協働が活発化した」といった好意的な意見も多数寄せられ、有用性が広く実感されたこともうかがわれた。

ソニーネットワークコミュニケーションズでは、今後も「Shpica」のサービス機能拡充を進め、組織の創造性と生産性の最大化を支援していきたいとしている。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001488.000000196.html

生産性DX編集部

生産性DX編集部は、生産性向上に向けたDX活用の知見を、わかりやすく発信しています。経営や組織、働き方、テクノロジーまで幅広く取り上げ、生産性向上に取り組むすべての人に、中立的な視点で考えるきっかけや実践のヒントをお届けします。

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