AIスキリング実践者の9割超が業務成果を実感

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日本リスキリングコンソーシアムが調査結果を発表

国や自治体、企業など250以上の団体が参画する「日本リスキリングコンソーシアム」は、AIスキリングに関する会員アンケート調査の結果を12月9日に発表した。

調査対象は、AI関連講座を受講し、生成AIツールを業務で活用している会員1,743人で、調査は2025年8月8日~8月19日に実施された。

同調査において、生成AIツールを活用することで得られる成果を尋ねたところ、「期待以上の成果が出ている(48.2%)」と「ある程度の成果が出ている(47.5%)」を合わせた95.7%が「AI活用によって業務に成果が出ている」と回答した。

効果や成果の具体例としては、「業務時間の短縮・効率化(91.8%)」、「生産性の向上(76.3%)」、「新たなアイデア創出・企画力の向上(56.9%)」が上位を占めた。

生成AIの用途としては、「文章の作成・編集・要約(87.4%)」、「情報収集・調査(80.5%)」、「アイデア出し・ブレインストーミング(71.0%)」が多い回答となった。

また、生成AIツールの利用頻度については、73.1%が「ほぼ毎日」と回答。AIが業務の一部として定着しつつある現状が浮き彫りとなった。

さらに、生成AI関連プログラム(同コンソーシアム提供)の受講によるAI活用への貢献内容として「プロンプトスキル向上(49.1%)」が最も役立っているとされ、「基礎知識・可能性の認識(32.1%)」「業務への具体的応用(14.0%)」などと続いた。

プログラム受講によるAI活用への貢献内容

Google認定講座の無償提供も開始、実践事例も続々

こうした背景を受け、同コンソーシアムでは、Googleの認定資格プログラム「Google Career Certificates」のうち、「AI Essentials」と「Prompting Essentials」の2講座を、先着5,000人の新規会員に無償提供する取り組みを開始した。

これらの講座では、生成AIの基礎やプロンプト作成の技術を10時間以内で学べる内容となっており、初心者でも実践的なスキルを身につけられる。

実際にAIスキリングを通じて業務改善を実現した事例も紹介されている。たとえば地方の中小企業では、勤怠管理システムを内製化し、現場作業員の直行直帰を可能にするなど業務効率化に成功。

兼業で働く女性社員は、AIを「壁打ち相手」として活用することで、企画力と作業効率を向上させ、残業を増やさずに生産性を50%向上させたという。

日本リスキリングコンソーシアムは、今後も多様な人々が学び続けられる環境づくりを進め、AI時代に対応した人材育成を支援していくとしている。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

日本リスキリングコンソーシアム プレスリリース
https://japan-reskilling-consortium.jp/news/346

生産性DX編集部

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