ディスカバリーズ、バーチャルスタッフのAIエージェント機能を大幅強化

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業務遂行レベルが大幅にアップ

ディスカバリーズ株式会社(以下、ディスカバリーズ)は22日、専門業務型AI「バーチャルスタッフ」のAIエージェント機能を強化した新バージョンをリリースした。

今回のアップデートにより、バーチャルスタッフは従来のLLM(大規模言語モデル)に自社のナレッジを学習させるRAG(Retrieval-Augmented Generation・検索拡張生成)を組み合わせて生成するAI機能に加え、業務指示を理解・遂行するAIエージェント機能が大きく向上している。

業務遂行のレベルが向上し、今求められていることの解像度が高まることで、同僚に相談するような感覚で自然にバーチャルスタッフへ仕事を頼めるようになるという。現場の人手不足解消にも大いに役立つとみられる。

AIエージェントとは、特定の目標やゴールを達成するため、自律的に判断しその結果に基づいて行動できるAI。チャットなどで目標を伝えさえすれば、受け取った情報から推論し、必要な社内外の情報を自ら探し出して行動する。AIアシスタントよりも一歩進んだAIといえる。

「バーチャルスタッフ」は、総務や人事、営業など業務に特化したスキルを持つ、擬人化されたAIエージェント。SaaS提供のため、複雑な構築などは不要で人材不足に悩む現場業務へ即座に組み込める特徴を持つ。AXカンパニーとしてのディスカバリーズが、これまでに培った社内ナレッジの活用支援を活かして生み出した新感覚AIエージェントサービスだ。

利用する上でも特別なAIスキルは必要なく、ファイルをアップロードすれば社内業務を学習、チャットで回答を生成する。構築不要のサブスクリプション型クラウドサービスのため、現場担当者でも30分ほどで導入可能、コストも低く抑えられる。

サービス説明画像

業務そのものの依頼を受けられるまでに改善

従来の「バーチャルスタッフ」は、社内からの問い合わせ対応や業務相談・問いかけなど、質疑応答シーンで生産性向上に寄与してきた。今回の機能強化によりさらにこうした質問対応だけでなく、業務そのものの依頼を受けられるまでにスキルアップした。

LLMにはOpenAIの「GPT-5」を採用、強化された推論モデルで、複雑な業務指示でも目的や制約条件を的確に判断し、最適な解決策を自律的に導き出せる。

たとえばマーケティング部門で、広報資料やメール文面のドラフト作成を目的やトーンに合わせて最適化したり、総務部門では経費申請の流れを教えてといったあいまいな問い合わせにも社内規定などを踏まえて分かりやすく回答、営業部門では顧客向けのフォローアップメールや次回の提案・アクション案を過去情報から作成したりできるという。

従来のLLMやRAG内に回答が見つからない場合には、インターネット上にある最新情報を探して回答する。よって日々刻々と変わるビジネス環境にもリアルタイムで対応できる。

これにより、マーケティング部門では最新トレンドや消費者の声、競合企業動向を踏まえたキャンペーン企画の生成などが可能となり、営業部門では顧客や業界の最新ニュース、競合製品動向を踏まえた提案の生成、労務・法務部門で法改正に影響される既存社内規定やガイドラインの修正点チェックなどが行えるようになった。

生成した回答がLLMに再学習されることはなく、アップロードした社内のファイルのセキュリティは強固に守られているため、安心して利用していける仕様ともなっている。

MCP(Model Context Protocol)対応により、外部システムの参照も可能となった。今回はマイクロソフトが提供する公式技術情報の情報を参照した回答ができるようになっている。

よって情報システム部門がMicrosoft 365などの操作手順問い合わせに公式情報に基づく回答を返したり、DX推進部門としてExcelやTeamsなどの生産性向上につながる使い方ガイド作成をサポートしたり、人事部門としてOfficeソフトの機能研修に用いるトレーニングコンテンツや理解度チェックテストを生成するといったことができるとされる。

MCP対応は今後システム連携を順次拡張、さらに利便性を増していく予定ともされた。

より高度な判断を持って業務実行が可能で、十分なナレッジを有し、辞めることもない24時間365日働くスタッフとしての働きが期待される「バーチャルスタッフ」は、現場課題解決に向けた歩みを大きく進めるものとして寄与してくれるだろう。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

ディスカバリーズ株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000025504.html

生産性DX編集部

生産性DX編集部は、生産性向上に向けたDX活用の知見を、わかりやすく発信しています。経営や組織、働き方、テクノロジーまで幅広く取り上げ、生産性向上に取り組むすべての人に、中立的な視点で考えるきっかけや実践のヒントをお届けします。

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