「紙を売る会社」が自らペーパーレスへ 10年かけた現場改革
一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会(JDX)が運営する全国ワークスタイル変革大賞実行委員会は、10月29日に開催された「全国ワークスタイル変革大賞2025 北海道・東北大会」の結果を発表。東北コピー販売株式会社(以下、東北コピー販売)が最優秀賞を受賞した。
複合機やパソコンの販売を主事業とする東北コピー販売は、10年にわたる現場DXの取り組みにより、紙中心の業務スタイルからの脱却を実現。その成果と熱意が高く評価され、12月に開催される全国大会への出場が決定した。
受賞の決め手となったのは、紙を扱う事業でありながらも「紙文化」からの脱却に挑戦し、成功した点だ。高橋剛代表の就任当初、社内は紙による業務が常態化しており、顧客情報も紙で管理されていた。
営業1件に40分以上の書類整理が必要な状況に対し、「何が何でも改善する」という強い意志でDXを開始。しかし、初期の段階では現場の混乱もあり、思うように進まなかったという。
転機となったのは、社員の意識が「自分たちの仕事を楽にする」から「お客様のためにデータを活用する」へと変化したこと。蓄積された顧客データを活かすため、生成AIを導入し、kintoneの情報を分析して営業提案のヒントを自動で提示する仕組みを構築。
結果として営業人員を20%削減しながらも売上は30%増加。自社のDX経験を活かし、現在では顧客にペーパーレス支援を行う新たなビジネスモデルも確立している。

地域企業の多様な挑戦も光る
同大会の優秀賞には、若手主体のボトムアップ型DXを進めるダイチ工営株式会社と、テレワークスタッフによるRPA活用で業務効率化を実現したムラコホールディングス株式会社が選ばれた。
奨励賞には、女性主導で建設業のイメージ改革に挑む株式会社エンドウ、過重労働の経験から大胆な働き方改革を進める主治医のような社会保険労務士法人、シニア雇用における偏見に挑戦した株式会社グーニーズグループが選出された。
同大会は、地域企業の先進事例を共有し、働き方改革とDX推進のヒントを提供することを目的としており、12月16日には「全国ワークスタイル変革大賞2025」全国大会の開催が予定されている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000115435.html
