「管理職は罰ゲーム」56.7%が実感、昇進忌避と静かな退職が拡大

人事・採用最新動向

中間管理職忌避、静かなる退職の連鎖を絶つには?

エフアンドエムネット株式会社(以下、エフアンドエムネット)は3月30日、管理部門向けビジネスメディア「労務SEARCH」において、企業で働く男女を対象とした中間管理職に関するアンケート調査を実施し、その結果をとりまとめて公開した。

かつてはキャリアアップの象徴であったはずの昇進が、今日ではリスクや負担として捉えられるようになってきているとし、最新の人事動向を探ったとしている。

調査は2025年2月17日~3月3日の期間、インターネット調査で実施し、企業に勤める男女300人から有効回答を得た。

まず、現在管理職(係長・課長・部長など)であるかどうか尋ねたところ、「はい」は39.7%、「いいえ」が48.0%だった。なお「役職なしだが実質的にマネジメント業務あり」と回答した人は12.3%にのぼっている。実質的にマネジメント業務を担っている層も一定数存在することが分かる。

続いて、将来的に管理職になりたいかどうか尋ねたところ、「あまりなりたくない」が63.3%で、「なりたい」の36.7%を大きく上回った。管理職離れでリーダー育成が難しくなっている様相がうかがわれる。

管理職になりたい、またはなりたくない理由について、複数選択可で尋ねた結果では、「責任・プレッシャーが増えるから」が52.3%で最も多く、2位は「長時間労働になりそうだから」の33.3%、3位は「部下育成や人間関係が面倒だから」の32.0%だった。

4位はポジティブな理由の「報酬・給与が上がるから」の31.3%で、5位は「権限・裁量が増えるから」の24.3%、6位は「社内での評価が上がるから」の12.7%となっている。

管理職が「罰ゲーム化している」と感じるかを示した円グラフ

管理職ストレスの主因は上司や経営陣からのプレッシャー

自社の管理職が罰ゲーム化していると感じるかどうかを尋ねた問いでは、「非常に感じる」が11.0%、「ある程度感じる」が45.7%で、合計56.7%は一定以上罰ゲーム化していると感じていた。

「あまり感じない」は34.7%、「全く感じない」は8.7%にとどまった。エフアンドエムネットでは、この結果について、プレイングマネジャーとしての過剰な業務量や、ハラスメント対策への過度な神経質、上意下達の板挟みといった閉塞感が表れていると分析している。

管理職の仕事の中で最もストレスを感じる要素は何かを尋ねた結果では、「上司・経営陣からのプレッシャー」が30.7%で最も多かった。次いで「業績・数字責任」の16.3%、「部下育成・評価」の11.7%と続く。

以下4位は「社内調整・会議対応」の6.0%、5位に「長時間拘束・メール対応」の4.0%、6位「パワハラ・ハラスメント対応」の2.7%となった。

部下との関係性より、上層部との関係性に強いストレスを感じているケースが多い点に特徴が見られる。

静かな退職について知っているかどうか調査したところ、「よく知っている」は11.0%で、「名前は聞いたことがある」人が最多の35.3%、「正直よくわからない」は29.7%、「全く知らない」が24.0%だった。

まださほど認知度は高くないものの、耳にしたことがある人は着実に増えている。表面上はしっかり勤務していても、心の内では組織と心理的距離を置いている従業員が増えている可能性もあるとされた。

業務に対し、最低限の範囲での働き方を意識しているか尋ねたところ、「状況に応じて最低限を意識している」が45.0%で最も多くなった。2位は「とくに意識していない」の38.0%だが、「いつも最低限で働いている」という回答者も8.7%に見られた。

「常に高い成果を出すことを重視している」人は8.3%と少なく、多くの従業員が業務範囲や負荷とのバランスを踏まえた働き方を志向していることがうかがえる。

最後に自身が考える理想の管理職像はどれか、複数選択可で選んでもらった。すると「効率的にチームを回して成果を上げる」が53.7%で最も多く、2位は「ワークライフバランスを尊重する」の51.3%だった。

全てを捧げるタイプではなく、スマートに業務を完結させ、自身や部下の私生活も大切にできるマネジメントに優れた人材が理想となっているようだ。

以下3位は「評価・報酬を公平にする」の38.3%、4位「部下の成長・キャリア支援を重視」の37.0%、5位に「メンタルヘルスを大切にする」の30.3%、6位は「管理職=罰ゲームと思わせない存在」の16.3%になった。

エフアンドエムネットでは、調査全体を通じ、人事労務としては管理職の職務再定義を進めること、心理的安全性の確保をしっかりと行うこと、成果と報酬の直結度を上げ昇進モチベーションを再構築することなどが重要だと締めくくっている。

(画像はプレスリリースより)
(出典・労務SEARCH(https://romsearch.officestation.jp/report/53657))

▼外部リンク

エフアンドエムネット株式会社 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000120587.html

生産性DX編集部

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