ローランド・ベルガーが意識調査を実施
経営コンサルティングファームの株式会社ローランド・ベルガー(以下、ローランド・ベルガー)は2026年5月14日、日本の上場企業CxO、経営企画責任者を対象とする第4回の意識調査を実施し、その結果をとりまとめて公開した。競争力のある組織構築に向けた人材育成と活用について探っている。
調査は2026年1月に、全国の20~70代、上場企業に属するCxO及び経営企画責任者の200人を対象に、インターネット調査方式で実施した。分析は好業績企業と業績不振企業に分けて行っている。
まず、人材活用で行っている取り組みでは、好業績企業では「管理職による部下育成プロセスへの関与の促進」が72%でトップ、2位に「人事部門による研修内容の全社レベルでの展開」の68%、3位が「従業員個人/グループに合わせたカスタマイズ」の60%となった。
一方業績不振企業の場合、「人事部門による研修内容の全社レベルでの展開」が79%でトップ、2位は「組織内に存在するスキルの定期的な棚卸・評価」の56%、3位は「スキル管理/スキルマッチングツールの活用」の44%となっている。
業績不振企業を100とした場合の回答差倍率を算出すると、「データやAIの活用」が5.5で最も高く、次いで「管理職による部下育成プロセスへの関与の促進」の3.4、「全社横断での人員・スキル需要の定期的評価」の3.0となった。反対に最も低い値となったのは、「スキル管理/スキルマッチングツールの活用」で0.8となっている。
好業績企業の方が全体に取り組み割合が高いものの、「組織内に存在するスキルの定期的な棚卸・評価」や「タレントプールの体系的な管理」、「人事部門による研修内容の全社レベルでの展開」といった基本的なものについては、好業績企業と不振企業での大きな差は見られていない。
差が大きかったのは、運用面や、一歩踏み込んだ積極的な取り組みができているかを問う項目だった。重要なのは制度導入そのものではなく、実効性を伴って運用できているかであると分析している。

働きやすさは業績ドライバーと分析
企業が重視する従業員のニーズと重視の割合について、働き方に関し調査を行った。
仕事とプライベートの調整や育児支援、ウェルビーイング施策など「働き方」関連のニーズについては、好業績企業で重視する割合は75%であったのに対し、業績不振企業は54%にとどまり、38.9%の差が開いた。好業績企業では、個々の従業員の働きやすさを重視する傾向が見られた。
また、組織への帰属意識や働く意義、同僚からの承認など「働く意味/意義」関連のニーズについては、重視する割合が好業績企業が80%、業績不振企業は63%となった。こちらも27.0%と大きく差が開いている。
業務システムや業務用デバイスツール、オフィス環境など「働く環境/基盤」関連のニーズについて、重視している割合は、好業績企業が82%、業績不振企業が75%で、差は9.3%となり、調査した3種類の中では最も差が小さかった。
従業員ニーズの充足に向けた取り組み状況について、具体的に尋ねると、好業績企業では「勤務時間の柔軟化」が74%で最も高く、次いで「業務プロセス改善やIT・DX施策の導入」の66%、「労働時間の削減」の64%となった。
挙げられた個数は平均3.7個で、最も低い割合のものも「人員配置や役割・責任範囲の適正化」の49%だった。
これに対し、業績不振企業では「勤務時間の柔軟化」が85%で最も高く、次いで「福利厚生の充実」の77%、「労働時間の削減」の69%となった。平均回答数は3.2個でやや少なく、「勤務地の柔軟化」は15%ととくに低かった。
業績不振企業を100とした時の回答差倍率では「勤務地の柔軟化」が3.9で最も高く、次いで「人員配置や役割・責任範囲の適正化」の2.1、「業務プロセス改善やIT・DX施策の導入」の1.4となった。
福利厚生などまとめて実施するものは0.8と低い値になり、際立った差は「柔軟な個別対応」ができているかどうかに現れている。
中でも勤務地の柔軟化や個人状況に合わせた人員配置、役割・責任範囲の適正化といった、各従業員の働き方に関し、実体を伴う大きな変化をもたらすものは、好業績企業では一定程度高い値であるのに、不振企業では1~2割程度と低かった。
従業員ごとの状況に応じた柔軟な対応が、業績差の一因となっている可能性が示された。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
株式会社ローランド・ベルガー プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000020895.html
