三和建設、制度整備と現場改革で“休みやすい職場”へ

法律関連

男性育休取得率70%達成

大阪市淀川区に本社を置く総合建設業・三和建設株式会社は10月31日、2025年度の男性育児休暇取得率が過去最高の70%に達したと発表した。

2022年の33%から4年間で約40ポイント上昇し、育児・介護休業法の改正を追い風に、育休取得が“特別なこと”から“自然な選択”へと変化している。

同社は育休取得率向上のために、制度面では「出生時育児休業」や「育児勤務(小学校3年生終了日まで)」など柔軟な仕組みを整備。産休・育休のフローを明文化し、個別説明会を開催することで、社員が安心して制度を利用できる環境を整えている。

現場では施工体制の見直しにも取り組み、人事ローテーションによる多能工化や、工事現場での作業時間の適正化や支援体制の強化などを実施。育児と現場勤務の両立を支援する取り組みが進んでいる。

復職後は時短勤務やテレワークを柔軟に活用し、月1回の1on1面談でキャリア相談も行っている。

男性社員の育休取得率推移

育休取得者の声と“子育て文化”の定着

現場の声を活かした商品開発にも力を入れている同社は、企画・販売する熱中症予防ゼリー「ゼネコンがつくったしおゼリー」で、建設業ならではの視点が話題を呼んでいる。

社員数約200名規模ながら同社は、「しぼれば拡がる」というブランディングのもと、若手とベテランが互いを支え合う組織づくりを推進。世代を超えた人材の融合により、現場体制にゆとりが生まれたことが、育休取得の増加につながったとしている。

同社の男性社員(現場監督、20代)は、2人目の子どもの誕生を機に育休を取得。「長男と過ごす時間が増え、なついてくれるようになった。家事・育児の大変さも実感できた」と語る。

本社敷地内にある企業主導型保育園「りんごぐみ」では、社員と園児のふれあいが日常の風景となっている。ハロウィンには仮装した園児たちが社内を巡って“おやつ探し”を楽しみ、合同防災訓練では社員・園児・職員あわせて98名が参加。

こうした交流を通じて、社員が育児をより身近に感じられる職場環境が育まれている。

「子どもの誕生に立ち会いたい」「家族との時間を大切にしたい」といった声が男性社員からも自然に聞かれるようになり、育休取得は“当たり前に選べる”働き方へと定着しつつある。

同社は今後も「人を中心に据えた組織づくり」を成長戦略の柱とし、建設業を子どもたちに誇れる未来産業へと導くことを目指している。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

三和建設株式会社 プレスリリース
https://www.sgc-web.co.jp/news/detail/993

生産性DX編集部

生産性DX編集部は、生産性向上に向けたDX活用の知見を、わかりやすく発信しています。経営や組織、働き方、テクノロジーまで幅広く取り上げ、生産性向上に取り組むすべての人に、中立的な視点で考えるきっかけや実践のヒントをお届けします。

関連記事

TOP
CLOSE