給与計算担当者の6割が「年収の壁」法改正で年末調整業務の負担増を予測

法律関連

弥生が給与計算担当者を対象に意識調査を実施

弥生株式会社は2025年11月6日、全国の従業員100名以下の企業における給与計算担当者を対象に実施した意識調査の結果を公開した。

同調査は2025年9月6日~9月8日、インターネットによるアンケート調査として実施された。目的は、令和7年度「年末調整」に関する意識や実務上の課題、「年収の壁」などの法改正への対応状況、業務負担の実態を明らかにすること。従業員100名以下の企業における給与計算担当者729名より回答を得た。

令和6年度分における年末調整の申告書類の配布・回収方法を質問したところ、11.2%が「国税庁年調ソフト」、41.4%が「人事労務ソフト、給与計算・年末調整ソフト」、38.1%が「紙の申告書」と回答し、運用方法の二極化が進んでいることがわかった。

ソフト利用による工数削減について尋ねたところ、最も多かったのが27.4%の「40~59%程度削減できた」、次いで19.3%の「60~79%程度削減できた」という結果だった。全体の64.0%が「40%以上削減ができた」と回答しており、ソフトを用いた自動化の利点が読み取れる。

年末調整における申告書類の配布・回収方法

令和7年度分の法改正で「年収の壁」対応も

年末調整の負担を問うと、34.2%の「従業員からの提出状況の確認・督促」、25.0%の「従業員への各種申告書の配布」が特に負担であることが明らかになった。そのほか、21.7%の「最新の法令の把握」が負担であることもわかった。

令和7年度分の法改正によって「年収の壁」への対応も必要になる。年末調整時における「年収の壁」の引き上げの影響への理解度を計る設問では、47.6%が「変更があることは知っているが具体的な業務影響は不明」と回答。

影響があり得る事業者に限定したところ約6割が具体影響を把握できていない状況で、制度改正の実務対応が検討途上であることが読み取れる。

「年収の壁」引き上げの影響への理解度

なお、全体の61.2%が「年収の壁」の引き上げによる年末調整業務の負担増加を予測しており、ピーク期の業務逼迫リスクが高まる恐れがある。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

弥生株式会社
https://www.yayoi-kk.co.jp/

生産性DX編集部

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