裁量労働制の肯定率は人事評価制度への信頼度で決まる!

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労働基準法改正と合わせた制度などへの意識調査を実施

株式会社チームスピリット(以下、チームスピリット)は4月16日、産学連携シンクタンクiU組織研究機構との共同調査として、2027年以降の施行に向けて検討が進む労働基準法改正関連の第2回意識調査を実施、その結果をとりまとめて公開した。

労働基準法の改正においては、とくに裁量労働制の拡大や副業・兼業の促進、テレワークの普及といった施策への注目度が高くなっている。それを受け、今回の調査ではこれら諸制度への印象・理解度や、組織的条件として求められるところなどを調べている。

調査は2026年3月3日~3月6日の期間、人事労務関連の法改正に関する方針決定や実務に関与している層を対象にインターネット調査として実施し、494人から有効回答を得た。

まず、裁量労働制の拡大をプラスに受け止めるかどうかと、自社の人事評価制度が信頼できるかどうかを掛け合わせて調べた。すると、自社の評価制度が「全く信頼できない」層では裁量労働制拡大を肯定的に受け止める向きは2.7%とごくわずかだった。

「あまり信頼できない」層は肯定率が13.1%、「やや信頼できる」層になると87.1%に上昇し、「非常に信頼できる」とした層では90.6%が肯定的となった。人事評価制度への信頼度が高いほど、裁量労働制を肯定的に受け止める傾向が強いことが示された。

人事評価制度への信頼が裁量労働制の受容度を高める

時間、所属、場所からの解放は自律的働き方のワンパッケージと意識

続いて裁量労働制の拡大に対し、職位によって期待値の違いがあるかどうかを調査した。

裁量労働制の拡大が自身の働き方や会社にとってどういったものだと考えるかを尋ねると、最終決定権者では、「非常にプラス」が31.3%となり、「ややプラス」が23.8%、「変わらない」は25.2%、「ややマイナス」が4.7%、「非常にマイナス」は3.7%となった。

一方、実務担当者になると、「非常にプラス」は17.9%にとどまり、「ややプラス」が42.5%で最多になった。「変わらない」は27.1%、「ややマイナス」が6.8%で、「非常にマイナス」は1.4%となっている。

最終決定権を有する経営層では強い期待感がある一方、現場に近い実務層では実効性に対し慎重で、考え方にギャップがあることが浮き彫りとなった。チームスピリットでは、このギャップが制度導入の最大の阻害要因になる可能性を指摘している。

働く時間からの解放につながる裁量労働制の拡大を肯定する層と、所属からの解放を意味する副業・兼業、場所からの解放になるテレワークを肯定する層の関連性を調査したところ、裁量労働制を「非常にプラス」と受け止めた層では、副業・兼業/テレワークも「プラス」と答えた割合が85.5%だった。

「ややマイナス」も3.4%と少なく、「変わらない」は24.6%、「ややプラス」が65.3%で、「非常にプラス」は85.5%にのぼった。

裁量労働制拡大を肯定する層では、副業・兼業やテレワークも肯定する傾向が強く、これらを個別施策として捉えるより、働き方の自由が拡大されるものとして一体的に捉えている可能性が示唆された。

第1回の調査で把握した労働基準法改正の認知度と、第2回調査における裁量労働制への評価、自社の評価制度への信頼との関連性も分析されている。こちらの結果では、改正について「全く知らない」とした層では、裁量労働制や自社評価制度の肯定率が22.9%と低かった。

一方、「聞いたことがある」層では36.5%に伸び、「ある程度知っている」層になると、60.6%が肯定的になった。さらに「詳しく知っている」とした層では、肯定率が75.5%に達し、全く知らなかった層の3.3倍にもなっている。

法改正の認知度が人事評価制度への信頼や、新たな各制度への肯定と深く関連しており、認知から信頼、肯定へと続くパイプラインの存在が指摘された。

チームスピリットでは、調査全体を通じ、働き方のパラダイム転換を成功させ、働き方の自律性を高めるには、その土台となる人事評価制度への信頼を築くことがポイントになると分析、人的資本経営の観点から組織変革を進めることが求められるとまとめている。

(画像はプレスリリースより)
(調査出典元:株式会社チームスピリット、産学連携シンクタンクiU組織研究機構)

▼外部リンク

株式会社チームスピリット プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000021273.html

生産性DX編集部

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