約4割がカスハラ被害経験、深刻な人材喪失リスク

人事・採用最新動向

離職やメンタルヘルスに直結、対策急務

株式会社manebi(以下、manebi)は2026年4月21日、企業の人事・総務担当者らを対象に「カスタマーハラスメントに関する実態調査」を実施し、その結果を明らかにした。

顧客からの過剰なサービス要求や理不尽なクレーム・暴言などのカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)は、深刻な社会問題となって久しい。カスハラは就業環境やメンタルヘルスに影響を及ぼすものとして注目されており、人材確保が困難となる中、企業における対応や体制の整備が急務のものとして重要になっている。

今回の調査はそうしたカスハラ被害の実態や対策ルールの整備状況、対応力などを明らかにすべく行われた。調査は2026年2月下旬、オンラインアンケート方式で実施された。対象はmanebiのサービス利用企業及びメールマガジン登録企業のうち回答を得た企業で、38社から有効回答を得ている。

まず、直近1年以内に、従業員からカスハラにあたる迷惑行為を受けたという被害報告があったかどうかを尋ねた。すると「数件あった」が全体の44.4%、「まったくなかった」は38.9%、「把握していない」が16.7%だった。

「把握していない」企業も含めると、半数以上の職場でカスハラ被害の実態把握が十分に進んでいない可能性があり、企業側の把握体制に課題が残る実態がうかがえた。

続いて過去3年以内に顧客からの迷惑行為が原因となり、離職やメンタル不調に陥った従業員がいるかどうかを尋ねたところ、「悩んでいる・困っている従業員がいる」は25.0%、「退職した従業員がいる」も5.6%となった。

「いない」は47.2%、「把握していない」が22.2%だった。3割以上の企業で、カスハラによる従業員への心理的負担や離職が発生しており、その深刻な実態から対策の必要性が改めて浮き彫りとなっている。

約44%の企業が直近1年以内にカスハラ被害を報告

ルール策定・運用済みは3割未満、未着手・検討中が約6割

カスハラに対し、対応マニュアルや相談窓口の設置など、ルール策定・運用を行っているかどうか尋ねたところ、「すでに策定・運用している」は27.8%にとどまり、3割未満という結果になった。

「策定中・検討中である」は25.0%、「必要性は感じるが未着手」が33.3%と最も多く、「特に予定はない」は13.9%だった。対策の必要性を感じている企業は多いが、具体的に動くことができているケースはまだまだ少ない。

悪質なクレームなどの発生時に、現場が十分毅然とした対応を実行できる状態にあるか尋ねた結果では、「十分に実行できる状態」としたのは全体の25.0%で、4分の1となった。「ある程度実行できる状態」は44.4%、「あまり実行できていない」が19.4%、「全く実行できていない」も11.1%にみられている。

ルールが未整備であることが多いのも相まって、会社としての明確な基準などがないことから、個人判断に任されてしまう現場の難しさ、対応実行力の低さもうかがわれた。

今後の接客において、顧客に対する対等な関係性や毅然とした態度が求められると思うかを全員に尋ねたところ、「強くそう思う」が52.8%で過半となったほか、「ややそう思う」が38.9%で、この2つを合計すると91.7%、9割超にのぼった。

「あまりそう思わない」は5.6%、「全くそう思わない」は2.8%にとどまっている。

自由記述のアンケートからは、社内定義がないので状況把握が難しい、現場で使うマニュアル作成に時間がかかるといった声や、カスハラ対応と苦情対応の境界線がグレー、毅然とした態度と謙虚さの違いを繰り返し教育するツールや機会が必要といった声が寄せられた。

人事・総務の課題としても、組織的に対策をとっていく必要性が意識されているものの、実際のルール策定やマニュアル運用に至っているケースは少なく、今後の対応力向上が必要になっていることが明らかとなった。

manebiでは、どこからがカスハラなのか、どのように対応すべきかなど、会社としての明確な方針やルールを示すようにし、トップダウンでエスカレーション体制を整えていくべきと指摘している。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

株式会社manebi プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000028888.html

生産性DX編集部

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